- ■株価純資産倍率 PBRとは何か?
- PBRは、プライス・ブックバリュー・レシオの略で、『株価純資産倍率』と呼ばれます。株価を1株当たりの純資産(BPS=その会社の理論上の解散価値)で割った数値で、企業価値に見合った株価かどうかを判断する時に役に立ちます。
株価純資産倍率が高いほど、企業が保有している資産(現預金・土地・株など)を大きく超えて、過大に評価された株価になっているという事になります。
株価純資産倍率とは、例えるなら、銀行などがお金を貸す時に考慮する『担保』のような考え方ですね。
太郎さんが会社をおこすために必要な資金、5,000万円を借りに銀行に行ったとします。その時銀行は、当然太郎さんがどれ位の資産を持っているのかを調べますよね。
もし太郎さんが1億円もの資産(現預金・土地・株など)を持っているとすれば、もしお金が返してもらえなくなった時は、太郎さんの資産を売却してそのお金で返済してもらえばいいので、安心してお金が貸せます。(PBR・・・5,000万円÷1億円=0.5倍)
しかし、太郎さんが500万円の資産(現預金・土地・株など)しか持っていなかったらどうでしょうか?もし太郎さんのおこした会社が失敗し、貸したお金の回収が困難になったとしたら、銀行は貸し倒れになってしまう可能性が高くなってしまいます。
そうなる事を考えると、銀行は太郎さんに5,000万円ものお金を貸すことはしないでしょう。(PBR・・・5,000万円÷500万円=10倍)つまり、どれ位までお金を貸しても安全かを図るのがPBRです。
話を株に戻すと、『どれ位の株価まで株を買っても安全か』を図る指標となるのがPBRなのです。PBRは、上で紹介したPER(株価収益率)で株価を判断しにくい時によく用いられる考え方で、PERは企業業績が悪い時、不景気な時は株価そのものが安く、とても人気度だけでは会社の割安感はつかめません。ですから、会社の持っている資産に注目するPBRを目安にしようとするのです。
PBRは、投資しようとする金額と会社の資産を比べ、会社の解散価値をつかむのに役立ちます。理論上、PBRが1倍以下の銘柄は、仮に会社を清算した場合、投資した以上のお金が戻ってくる計算になります。
ここで一つ注意点があります。企業の株価のPBRは、本当の資産を把握して計算しなければなりません。それは目に見えるものに限らず、企業の将来性・隠れ借金・株主構成の変化などにも注意して考慮する必要があります。
一つの指標だけでは何かを見落としているかもしれないので、多面的に分析するのがポイントです。PER(人気度)ではこんな感じ、PBR(解散価値、資産に対して株価がいくらか)ではこうなっている、と総合的に評価すると良いと思います。企業の株価から人気があるのは分かるけど資産は少ないとか、資産はあるけど人気がない、とかいう大まかな状態を知るのが大切です。
■株価純資産倍率を実際に計算してみる!
- PBRの計算式もPERと同様に簡単です。計算式は『現在の株価÷一株当たりの純資産(一株株主資本)』です。
ちなみに、一株当たりの純資産(一株株主資本)は、貸借対照表上の資本の合計=会社の純資産(資本金+法廷準備金+余剰金)を発行済み株式総数で割ると得られます。
公式1:会社の純資産(資本金+法廷準備金+余剰金)÷発行済み株式総数=1株当りの純資産(1株株主資本)
公式2:株価÷1株当りの純資産(1株株主資本)=株価純資産倍率 PBR
それでは、PBRを兄さんと一緒に計算してみましょう。ここでは『6718:アイホン』を使って計算してみようと思います。アイホンの株価は1,119円、一株当たりの純資産(一株株主資本)は1,483円となっています。
■1,119(現在の株価)÷1,483(一株当たりの純資産)=0.75 答え.PBR0.75倍
どうでしょうか?PBRの計算も簡単ですよね(*^^*)。この計算によって出たPBRから考えると、現在のアイホンの株価は、アイホンが持っている資産(現預金・土地・株など)の価値以下という事になります。つまり、割安に放置されている状態です。
そして、アイホンは無借金経営で赤字を出さない会社なので、これからもっと業績がよくなれば、年々資産が積み上げられ価値はあがっていくと考えられます。要するに、現在の株価が続いたと仮定するなら、なおさら割安になる可能性が高いという事になります。
兄さんが思うには、株価が大幅に安くなり、会社の解散価値よりも低くなれば(PBR1倍以下)、『そろそろ底値が近いんだな。それじゃあ、そろそろ買い始めようかな』みたいな感じで付き合えば良いと思います。
しかしPBRも、株価収益率/PERと同様に、ここで紹介しているのは本当に基本的な計算法・考え方です。伝説の投資家”ウォーレン・バフェット”は、目に見えない資産価値まで考慮して、株価が割安かどうかを判断するそうです。
基本的なことを理解したら、一歩進んだ将来PERの計算法を学ぶようにして下さいネ!詳しくは、個人投資家サイトのリンク のようさんの長期投資のススメを見てみて下さい。
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